SHEINとは?|どこの会社?創業国・概要まとめ

時事問題

SHEIN(シーイン)は、中国発の超低価格ファッションブランドで、Z世代を中心に爆発的な人気を誇ります。
正式には「Roadget Business Pte. Ltd.」が運営しており、本社登記はシンガポールにありますが、創業地・主要拠点は中国広州市です。

2008年にクリス・シュー(Chris Xu)によって創業され、当初はウェディングドレス販売からスタート。
その後、アパレル全般に展開し、2020年代からTikTokを中心に爆発的な拡散で世界的な存在となりました。

なぜこんなに安い?SHEINの流通と仕入れの秘密

SHEINが驚くほど安い理由は、独自の「オンデマンド生産システム」にあります。

  • 無在庫方式:まず少量だけ生産し、売れ行きを見て追加生産
  • 自社アプリ経由の大量トラフィック → 中間コスト削減
  • 中国国内の中小工場と直接契約 → 単価を大幅圧縮

これにより、SHEINは「在庫リスク」を極限まで削減し、価格を徹底的に下げることが可能になっています。
また、マーケティングもSNS中心で広告費を最小限に抑えています。

SHEINにまつわる問題点と炎上事例

急成長の裏で、SHEINにはさまざまな問題点も指摘されています。

  • 労働環境の問題:極端な長時間労働・低賃金の疑い(BBCなど報道)
  • 著作権侵害:デザイナーや小規模ブランドからの盗作疑惑
  • 環境破壊:大量廃棄・マイクロプラスチック問題

とくに労働問題については、中国・広州の下請け工場で「1日18時間労働」と報じられたこともあり、国際的な批判が高まっています。

労働環境が問題視されているSHEIN、改善を約束するも週75時間労働は変わらず | 女性自身
中国の通販大手SHEINが、過酷な条件のもとで労働者を働かせていることが判明したと、英BBCが報じて波紋を呼んでいる。   2008年創業のSHEINは、トレンドを取り入れた多種多様な洋服を安価で販売することで知られ、TikTokやInst...

メディア報道された過去のニュース

SHEINは、2020年代以降、多くのメディアで問題視されています。

  • 2021年:BBCが労働環境を告発 → 製造現場の過酷な実態が明るみに
  • 2022年:米議会がSHEINの人権問題を追及(新疆ウイグル問題との関連)
  • 2023年:カナダで有害物質含有が報道 → 一部商品の安全性に疑問
  • 2024年:フランスで法規制対象に → ファストファッション税の議論

これらの報道により、SHEINのブランドイメージは一部で悪化しつつありますが、価格の魅力からユーザー離れは限定的という声もあります。

安さの裏にあるリスクと私たちにできること

SHEINの魅力は確かに「圧倒的な安さとトレンド感」にありますが、その背景には労働搾取・環境負荷・知財侵害といった深刻な課題があります。

私たち消費者は、単に安さだけで判断せず、以下のような視点も持つことが重要です。

  • 可能であれば信頼できるブランドやサステナブルな商品を選ぶ
  • SHEINで買う場合もレビュー・成分・素材を確認する
  • 使い捨てではなく、長く着られる服を選ぶ

「安さの裏にあるコスト」を知ることが、よりよい選択につながります。

SHEIN商品に含まれていた有害物質とは?身体へのリスク

2022年、カナダの消費者団体〈CBC Marketplace〉による調査で、SHEINの商品から基準値を大きく超える有害物質が検出されたことが話題となりました。

  • 鉛(リード):基準値の20倍以上
  • フタル酸エステル:プラスチック製品に含まれ、内分泌かく乱物質として問題視
  • ホルムアルデヒド:皮膚刺激やアレルギーの原因に

特に子供用ジャケットやアクセサリー類に高濃度の鉛が含まれていたことが報告され、発達障害や神経系への影響が懸念されています。

なぜSHEINでは有害物質が使われてしまうのか?

SHEINで有害物質が検出される背景には、いくつかの構造的な問題があります。

  • 極端なコストカット:安全性より価格優先の材料選定
  • 製造過程のチェック体制が弱い:下請け工場任せで品質管理が甘い
  • 生産スピード重視:数日単位で商品化→十分な検査が困難
  • 各国の規制の“すき間”を突いた運用:輸出先によっては検査が緩い

SHEINの強みである「超高速・小ロット生産」は、品質や安全性の確認を省略しやすい構造ともいえます。

SHEINの生産・労働環境はどのようなものか?

複数の調査報道により、SHEINの下請け工場では、過酷な労働環境が常態化していると指摘されています。

  • 1日最大18時間労働(週に1日のみ休み)
  • 1枚の服あたり支払われる工賃はわずか数円〜十数円
  • 火災対策や換気が不十分な工場環境

これらは、2021年に英Channel 4が放送したドキュメンタリー『Inside the SHEIN Machine』によって明らかにされました。

Untold: Inside the Shein Machine review – the brand that knows what you’re going to buy before you do
This exposé shows how Shein can read the minds of customers, not to mention how it flogs clothes aggressively cheaply – ...

注意すべきはSHEINだけじゃない|格安ファッション全体のリスク

ここまでSHEINの問題点を紹介してきましたが、同様の課題は他の格安ファッションブランドでも広く見られます

  • Temu(ティームー):中国系の超低価格マーケットプレイス。品質や安全性への懸念あり
  • AliExpress・Wish:偽造品・安全性の低い商品が混在
  • ノーブランドの格安ECサイト:ショップ名が頻繁に変わるなど、責任所在が不明瞭

低価格ファッション=ハイリスクという点を、消費者が自覚することが求められます。

まとめ|SHEINの安さの裏にある真実とは

SHEINは、中国発のグローバルファッションブランドとして、Z世代を中心に人気を集めています。

その安さの背景には、超高速生産・無在庫体制・中間コスト排除といったビジネスモデルが存在しますが、

同時に、労働問題・環境負荷・品質の不安定さ・人体への影響といったリスクもはらんでいます。

これはSHEINに限らず、TemuやAliExpressなどを含む低価格ファッション全体の構造的な課題とも言えるでしょう。

今後は、「安くてかわいい」だけでなく、その服の背景や社会的責任にも目を向けることが大切です。

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