新NISAはお得だけど「デメリット」もある
新NISAは、利益に対して税金がかからないという非常に優れた制度です。しかし、良い面ばかりに目が行きがちですが、「リスク」や「注意点」も存在します。
今回は、特に初心者の方が見落としがちな「元本割れのリスク」と「損益通算ができない」という2つのデメリットについて、わかりやすく解説します。
デメリット①:元本割れのリスクとは?
「元本割れ(がんぽんわれ)」とは、投資した金額よりも、あとで受け取るお金が少なくなってしまうことです。
たとえば、10万円を投資したのに、値下がりによって最終的に9万円しか戻ってこなかった…というようなケースがそれにあたります。
ただし注意点があります。
元本割れはNISAだけに起きることではなく、すべての投資に共通するリスクです。NISA・特定口座・一般口座、どの口座であっても、金融商品には価格変動があり、元本割れの可能性は避けられません。
それでもNISAで特に注意が必要と言われるのは、「非課税=安心」という誤解が広がりやすいためです。実際には、NISA口座でも損をすることはありますので、「安全な貯金」と同じ感覚で使わないことが大切です。
元本割れが起こる主な原因:
- 投資対象の価格が変動する(株式や投資信託など)
- 短期間で売却してしまうと、タイミングによって損をする
- 市場全体が不況や金融ショックを受けた場合
リスクを抑えるポイント: 長期・分散・積立を意識した運用を行うことが重要です。特につみたて投資枠での運用は、元本割れリスクが比較的低いと言われています。
デメリット②:損益通算ができないってどういうこと?
通常の「特定口座」や「一般口座」で投資をしている場合、Aの株で利益が出て、Bの株で損失が出たら、その利益と損失を相殺(そうさい)できます。これを「損益通算(そんえきつうさん)」といいます。
しかし、NISA口座内ではこの損益通算ができません。どういうことかというと、NISAで得た利益は非課税になる代わりに、損失が出ても税金面でカバーできないのです。
例:
NISA口座で10万円損しても、特定口座で得た20万円の利益から、その損を引くことはできません。
つまり、「損してもなかったことにできない」のがNISAの仕組みです。
じゃあ、どうすればいいの?
この2つのデメリットをふまえて、以下のような対応がおすすめです:
- 長期投資を前提にして焦って売らない
- 資産を分散して投資する(1つの商品に集中しない)
- 高リスクな商品は特定口座で、安定した運用はNISAで使い分ける
とくにNISAでは「リターンを追いすぎない」「コツコツ積み立てる」スタイルが基本です。無理のない範囲で、制度をうまく活用しましょう。
まとめ|メリットとデメリットを理解して上手に使おう
新NISAはとても魅力的な制度ですが、万能ではありません。「元本割れのリスクがあること」「損益通算ができないこと」をしっかり理解しておくことで、損をせずに賢く活用できます。
投資は「知っているかどうか」で結果が大きく変わります。この記事を参考に、あなたに合った投資スタイルを見つけてください。